令和6年の梅仕事

8月8日。遅くなりましたが、今年も梅干しができました。どこも梅が少なくて入手が困難でしたが、無事にできてホッとしています。そこで、ちょっと振り返り。

今年は、5kgほどを6月下旬から小分けにして塩漬けしはじめました。塩分濃度は18%。記録をみると、6月18日から23日まで4回にわけてます。小分けにしすぎたせいか、暑すぎたせいか、途中産膜酵母が表面に出てきて少々焦りました。膜をとりのぞき、焼酎を少し加えました。

7月22日に紫蘇とり。裏の畑から400gをとってきて塩80gで揉んで梅と漬けました。
とってきた紫蘇は、まず一枚ずつ葉を外して洗って汚れを落とします。次にサラダスピナーで水を切り、袋に入れ塩で揉んでを、2度繰り返し、灰汁を出す。最後に、上がった梅酢と合わせ、発色させて容器に戻し、着色となります。

我が家の梅干しは他所よりのんびりです。毎年この工程を待ちきれず、梅漬け用に売っている赤紫蘇に手が伸びそうになるけど、ここまで待って紫蘇を刈り取るところまでやってしまえば、案外あとはすすすーっと運びます。
だいたいに裏の畑では紫蘇がとれるのが遅いのですが、今年はまだ早いほうかもしれません。摘んでいるときにご近所のおばあさんとお話ししましたら、このあたりでは紫蘇につけるのは同じような時期だとのこと。お店ではもっと早くから出回っているのですが、近隣でも平野部のことで、ちょっと山がちになる木次のこのあたりでは、7月下旬からでよい、というかそれしかできないのです。

梅の種類も干し方も、どうやら関東中心のやり方が書籍やウェブでは広まっているようで、地域ごとに異なる、その地ならではのやり方に目を向けていければと思いました。それが理にかなっているのですから。

土用干しは4日間。
8月5日:土用干し1日目 9時〜16時 梅酢に戻す
8月6日:土用干し2日目 8時半〜 一晩そのまま干す
8月7日:土用干し3日目 8時半〜 一晩そのまま干す
8月8日:土用干し4日目 8時半〜12時 干し上がり→保存缶へ

土用干しを始めたら、それまで連日晴れだったのに、急に曇りの日が多くなるというよくあること。ただ、湿度は下がって十分干せました。8月7日は立秋。夕方になって、急に秋の風を感じ、不思議な思い。ともかく、無事にできて安心安心。

 

樋野由紀子 手織り布展

『樋野由紀子 手織り布展』。盛況のうちに、本日終了いたしました。ありがとうございました。

会期中、何度も足を運んでくださったお客さま。いいものが買えたと早速に飾っておられる写真を見せていただいたお客さま。たくさんのいろいろな方と、作品を前に感じることを話したり、樋野さんから素材や織り・染めについて教わったり、オーダーについて相談したり……。毎日が濃密な時間でした。最初は長いかなと思っていた9日間の会期も、月並みですが終わってみればあっという間。本当に楽しい日々でした。

樋野由紀子さんは、ふだんは工房に籠る日々。糸染めから織り仕立てまで、黙々と作業に向かわれています。ただこの会期中は、毎日、十六島から通ってこられました。たくさんのお客さまとお話しされたことで、次の製作に向けてパワーをもらわれたのではないかと思います。

オリゼでは今回で4回目となる展示会でしたが、毎回、違う作風を見せてくださる樋野さんの努力を想います。次回はどんな樋野さんに会えるかな?と楽しみにしつつ、また企画したいと思っております。

ご来店いただきましたみなさま、DMを置いてくださったお店さん、ありがとうございました。

樋野さんの作品が、みなさんの毎日を、楽しく豊かなものにしてくれますように。

おむすびにぎってCiBOへ

もう少ししたら、オリゼの庭にいろんな種類の紫陽花が咲きはじめます。春から夏へ。風も空も緑も、みずみずしい心地よい良い季節となりました。

5月の第4日曜日は、ことし初にして、久しぶりのSunday Market CiBOへの出店となります。
今回は玄米おむすび、おからコロッケ、スコーンなど、代わり映えはしませんが、定番不動のメニューで参加いたします。
GOOD LIFE FARMのグリーンピースでつくる、豆ごはんのおむすび、かぶの浅漬けおむすび、自家製梅とゆかりを使ったおむすびもお待ちします。

いつも、玄米のおむすびを楽しみに来てくださるお客様が多いので、たくさん握っていきたいと思っています。
スコーンはこの春からつくり始めた「抹茶スコーン」。CiBO初登場です。お茶は去年秋のCiBOでコラボしていただいた海田園黒坂製茶さんのものを使います。先月、岡山県美作市の茶畑を訪れましたが、天空の茶畑で見る風景が素晴らしかったです。

久しぶりのCiBOで、こんなお話しをみなさんとできるのを楽しみに参加します。どうぞよろしくお願いいたします!

 

美作の茶園をたずねて

4月22日、この日は岡山県美作市にある海田園黒坂製茶さんへ。昨年秋、Sunday Market CiBOに出店された際、カフェオリゼで出していた食事とコラボさせていただいたご縁があります。美作は千年以上つづくお茶の名産地。お茶の木の新芽が伸びてきて、摘み取りを待つ時期ですが、状態を見に出かけるタイミングだったということで、山の奥にある茶畑を黒坂さんご夫妻にご案内いただきました。

茶葉の摘みとりが始まると、1日に何度も山と工場とを往復して、夜中まで作業が続くのだそうです。摘みとった葉は、春の暖かい日には数時間で自然発酵して、烏龍茶や紅茶の香りがしてくるのだとか。気の抜けない日々が続くということでした。
ここのほかにも畑があり、合わせて7ヘクタールの土地に10種あまりの茶の木を栽培されています。

山を下りて、工場の見学とお茶の飲み比べもさせていただきました。香り、まろやかさ、甘みなどそれぞれ違いがあり一煎目、二煎目と様々美味しくいただきました。

今回数種類のお茶を持ち帰りましたので、ゴールデンウィークにはメニューに載っていないお茶もカフェでご提供したいと思います。製菓用のお茶もありますので、好評のチーズケーキにもぜひ使ってみたいと思っています。そちらも楽しみにしていただけたらと思います。

それにしてもあの美しい緑の海! また訪れることができますように!!

米寿のお祝いの食卓に

昨日は大寒でしたが、例年より少しあたたく感じました。今日は朝から小雨だったのですが、ちょっと特別な御膳を、ご用意させていただきました。町内からご近所さん5名の方々が集って、米寿のお祝いです。昨年の11月だったでしょうか、大きなカレンダーをお店にもってこられて、どの日がいいかなど、相談されたことを思い出します。こちらも、どんな素材をつかって、どんなお料理がよいのか、あれこれ思案しての今日でした。

昭和12年生まれ、女性ばかりの5名さま。みなさんたくさん食べて、おしゃべりして
お元気で良いなー♡と、こちらもうれしくなる会でした。

きっと同じころに嫁いで来られ、子育てや地域での活動など、たくさんたくさん同じ時間を過ごしてこられたのだろうな、と想像します。
「ほんとは、もうおひとりおられるんだけど施設に入られてね」と、ちょっと寂しそうにお話ししてくださいました。

卒寿、白寿までみなさんどうかお元気で、また一緒にお祝いできますように。
おめでとうございます!
ありがとうございました。

糀づくりと『絵のある自伝』

1月1日にあわい堂で買った、安野光雅の『絵のある自伝』。卒業した大学名がこの本に出てくるのですが、卒業式は全員黒の着物に赤い伊達締めをして、制服の深緑の袴をはいて出席しました。着付けは、友達のお母さんがしてくれたのも良き思い出。この袴、実は宝塚音楽学校と同じなのですが、附属の高校のクラス名も星組や月組とか。入学当時「宝塚みたい!」と言ったら、「宝塚が真似したのよ」と教えてもらいました。

親しくしていただいている方のお姑さんも、大正生まれだけど島根から出られた同学の卒業生だと教えていただきました。(残念ながら去年98歳でお亡くなりに)
ご存命なら、今も当時からある記念館のことや、いろんなお話し伺いたかったです。

この本には、一緒に買った『娘の学校』の著者、なだいなださんのお名前も出てきたり、もちろん3年間を過ごした津和野のことも出てきて、いろいろ面白い読書体験でした。

さて、お味噌用の玄米糀の仕込みが始まっています。出来上がったばかりの糀は、ほわほわ〜と湯気があがって甘〜い香りがします。ひと月かけて50キロの糀を仕込んでいきますが、お味噌としていただけるのはおよそ一年後。

毎年毎年、1月恒例の繰り返しですが、毎年同じ日常が続いていくことこそが、ありがたく尊いことだと感じます。

少しずつ変わってはいくけれど、変わらないものも大切に抱えて、毎日を送っていけますように。

奥出雲おろち号

今日は11月23日。お店の前を走る木次線のトロッコ列車、『奥出雲おろち号』ラストランの日でした。今朝、宍道方面から木次駅に入る手前、ちょうどオリゼの前あたりで「ポーーーーーッ!!」と、いつもより長く大きな汽笛を鳴らして通過して行きました。1998年から運行を開始した3両編成のディーゼルは、木次駅から広島の備後落合駅までを、4月から11月の金・土・日と夏休みと紅葉シーズンは連日走っていました。

10年前、オリゼをオープンするときに箸袋の図柄を考えていて、表面はお店の外観にするとして、さて、裏はどうしよう?と思案していたのです。初めは木次駅の時刻表にしよう、という案があったのですが時刻表はかわるからね、ということでトロッコ列車の絵を描いてもらって採用したのでした。

オープンして10年目、その時印刷した箸袋を新装するより先に、おろち号がなくなってしまいました。当時は本当にこんな日が来ることを想像していなかったので、なんだか今日はちょっと寂しい気持ちです。

今日はたくさんの方がお見送りに来られたようで閉店間際には広島から来られたご家族もカフェに立ち寄りくださいました。さみしい気持ちもあり、ちょっとうれしいこともあった日でした。

今日の日をまたいつかきっと思い出すんだろうなー。